富田勝彦展 ― 江戸琳派の逆襲 ー

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富田勝彦展 ― 江戸琳派の逆襲 ー

2013.12/21(Sat)-2014.01/19(Sun) 12:00am-8:00pm
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ユーラシアの華の薫りの方へ ―富田勝彦の仕事に

富田勝彦は、いっかんして、花を描き続けて来た。
それも、彼が愛着するところの、アジアの湿地帯から、匂いでたような、淡やかで、微かにかすかに、典雅に薫る、水に浮かぶ蓮やら春の辛夷であって、それが、富田勝彦が、生命のエロスととらえるものの、創世神話の由緒をこそ、物語っているようだ。
だから、彼の描くのは、極論すれば、形象でなく、その呼気であって、色彩でなく、その波紋であるのであって、私どもが、近来の日本の現代美術には稀なるものとみるような、ユーラシア芸術の系譜を、遠く、響かせている所以なのである。
シュタイナー学の泰斗、高橋巌先生なら、必ずやこれをみて、「波動する、宇宙粒子?=ティンクトゥーラ?(とたしか、言われてたかな?)」と宣われること、請け合いの、極上の、宇宙万物にひろがる、植物生気、呼気を、ぜひとも、お楽しみいただきと、願う所存である。

新見 隆 (にいみ りゅう) 武蔵野美術大学芸術文化学科教授 大分県立美術館館長

光の系譜―富田勝彦展によせて

琳派と聞いて最初に思い起こされるモチーフは、美しい四季の草花である。宗達の蓮、光琳の梅や杜若、抱一の桜、其一の朝顔。または可憐な春の草花の芽吹きや、夕暮れの風になびく秋草の一叢。その中でもとりわけ光に満ち、輝かしく鮮烈な印象を与えるのは、杜若や立葵、朝顔など夏の花を描いた作品である。桃山時代から琳派に至る金碧障屏画の愛好は、こうした光への強い志向に由来するものであったが、一方でその光とは、どこまでいっても温雅で、優美な日本の光であった。富田勝彦は万治元年(1658年)に尾形光琳が誕生した300年後、安政5年(1858年)に鈴木其一が没した100年後に生まれた。この不思議な符合について、しばしば自ら語っているように、富田は自身が琳派の伝統の継承者の一人であることを強く意識している。しかし、その歩みは日本の光が生み出した琳派の文学性や装飾性を超え出て、より原初的で生命力に満ちた、遥かに強い熱帯の光を志向する。それは、ある偉大な流派の最後を照らす、黄昏の弱弱しい光ではない。彼の光は群舞する花となり、一輪の濃艶な花となり、また竹林を激しく揺さぶる強風となって、私たちを常に深く圧倒する。

村井 孝行 (むらい たかゆき) とちぎ蔵の街美術館事務局長

富田勝彦さんの“白蓮の絵”

地元のご縁で富田勝彦さんより提案を頂き、当寺の須弥壇の壁面に“白蓮の絵”をお願いした。
打ち合わせの際、富田さんの思慮深さと、蓮への観察の細やかさ、こだわりを聞かされ、蓮の花の「蕾から咲き終わり」までを、10面の“白蓮の花”にまとめて頂いた、とても意味深い作品になったので喜んでいる。

小林 日元 (こばやし にちげん) 世田谷・おおくら大佛 日蓮宗東光山妙法寺住職

作家プロフィール
1958 東京都荒川区日暮里生まれ
1981 武蔵野美術大学造形学部芸能デザイン学科卒業
1987 造形作家活動開始
1989 作品展「光と影」 東京・代々木アートギャラリー
1992 作品展「秋」 東京・ギャラリーなつか
1993 二人展「21世紀への視点IV」 東京・木ノ葉画廊
1996 作品展「宴」 東京・藍画廊
1997 「第18回 国際インパクトアートフエスティバル」 京都・京都市美術館
1998 作品展「節」 東京・木ノ葉画廊 / 作品展「聖」 東京・藍画廊
1999 「第10回 ARTEX PARIS′99/選抜作家展」パリ・ギャルリートランスヴェルサル / 作品展「光と影II-“秋宴”」 東京・代々木アートギャラリー
2002 作品展「艶」 東京・木ノ葉画廊
2003 作品展「淨」 東京・藍画廊
2004 作品展「艶淨」 東京・ASK? ※武蔵野美術大学αM
2005 N邸壁画 東京・高円寺 / ろりぽっぷ邑幼稚園改装デザイン 神奈川・たまプラーザ
2006 作品展「麗」 東京・藍画廊 / 作品展「和」 東京・ASK?
2010 作品展「端」 東京・藍画廊 / 小作品展 with 亀福 東京・カフェギャラリー亀福
2011 小作品展 vol.1 東京・カフェダイニング由庵 / 小作品展 vol.2 東京・カフェダイニング由庵
2012 小作品展 vol.3 東京・カフェダイニング由庵 / 小作品展 vol.4 東京・カフェダイニング由庵
2013 須弥壇装飾画「白蓮」 東京・日蓮宗東光山妙法寺 / 母方曾祖父「甚八(刀工)」から、15代「甚八」を継承 / 作品展「燁」 東京・成城さくらさくギャラリー

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