Art Space 寄す処とは
「寄す処」とは、縁の語源となった言葉で、「身や心を寄せて頼りとするところ」「頼みとする人」「身寄り」「手がかり」「寄る辺」を意味しています。
京都の伝統建築である京町家は、1棟1棟が寄り添い支え合うように建っており、当施設も、町家のように互いに支えあい、アーティスト・研究者を含む全ての表現者の「寄す処」となり、一人でも多くの方々に笑顔をもたらすことを目指しています。
「Art Space「寄す処」は、京町家をリノベーションしたアーティスト・イン・レジデンスです。滞在施設とスタジオ、コミュニティースペースが併設されており、国内外のアーティストや芸術研究者などが滞在しながら調査・研究、制作や発表をする場所と時間を提供します。
アーティストや研究者の創作・研究活動の支援のほか、地域交流・国際交流を推進することで、芸術を通して地域の活性化を図り社会に貢献していきます。
事業開始の経緯
少年期の当施設代表 沼沢忠吉は、絵を描くことが好きだった。将来は絵描きになりたかった。しかし、両親の反対もあって夢叶わず、普通に就職して社会人の道を歩み始めたが、更なる生き甲斐を求めて、もうひとつの夢 刑事への道を歩むために警察に再就職を決めた。
26年間の警察人生の大半を殺人・強盗・レイプなどの強行事件を扱う刑事として生き抜いた。しかし、涙する人や憎しみを心に秘めた人達と接する中で、涙を止めることは出来ても笑顔に出来ないという刑事の宿命のようなものを感じていた。
そして、2011年3月11日に発生した東日本大震災で親族が被災し、現地でのボランティア活動をする中で、人が色彩美に触れることで笑顔になることを知った。
“ある避難所で、一人の少女が瓦礫の中から綺麗な真っ赤なゴムボールを拾ってきた。満面の笑みを浮かべながら、疲れ果て肩を落とし、うな垂れて休んでいる大人たちにその真っ赤なゴムボールを見せて回った。大人たちは、みんな顔をあげて次々笑顔になっていった。”
この経験がきっかけとなり、多くの人に笑顔をもたらしたいと願い、あらゆる表現者の支援活動に人生の後半を費やそうと決意して、2013年3月で永年務めた警察(刑事)を早期退職し、自費を投じ、2013年9月に芸術・文化の都である京都に当施設を開設した。
地域の特徴・周辺環境
794年に日本の首都に定められた都城・平安京が建設された歴史を持つ京都は、「千年の都」と称され、日本を代表する文化・芸術の都です。多くの文化財が点在し、上賀茂神社、下鴨神社、東寺、清水寺、延暦寺、醍醐寺、仁和寺、平等院、宇治上神社、高山寺、西芳寺(苔寺)、天龍寺、金閣寺、銀閣寺、龍安寺、西本願寺、二条城などの世界遺産を数多く有しています。当施設は、京都駅から徒歩圏内にありアクセスは良好で、近隣には京都芸術センターや京都国立博物館、京都国立近代美術館など数多くの文化施設があります。